知らないLINEのアカウントから、持っている株の銘柄を聞かれた。
InstagramのDMでは、日々いろいろなご相談やご連絡をいただきます。最近は、こうした投資や株にまつわるお話もよく届くようになりました。
LINEで投資の情報を送ってくるアカウントは、いまとても増えています。そして、その多くに共通する危ないサインがあります。
なので今回は、岡崎のみなさんに広くお伝えする形で、注意喚起のチラシを作りました。
先に結論から
知らない相手に、持っている株の銘柄を教えてはいけません。
相手が詐欺の業者でなかったとしても、です。理由は次の3つです。
- 株や資産の情報は、「お金を持っている人」の名簿になる
- お金を受け取って銘柄を助言したり、株の売買を勧誘したりするのを仕事にするには、金融庁への登録が必要
- 知らない相手が銘柄を聞いてくるのは、投資詐欺の入口になりやすいと私は考えています
▼チラシ(PDF・無料ダウンロード)は記事の中ほどにあります。
岡崎でも、もう他人事ではありません
岡崎警察署管内(岡崎市・幸田町)の特殊詐欺は、今年1〜5月で147件。被害額は約10億5,300万円です。
前年の同じ時期は63件・約2億6,600万円でした。件数は2倍以上、被害額はおよそ4倍です。
5か月で10億円。正直、数字を見て手が止まりました。
この状況を受けて、4月23日には岡崎市長・幸田町長・岡崎警察署長の連名で「特殊詐欺多発緊急アピール宣言」が出されています。
市は、被害者の多くが30代〜50代という「SNS型投資詐欺」も急増していると、注意を呼びかけています。高齢の方だけの話ではありません。
愛知県全体でも、SNS型の投資詐欺は1〜8月で874件・約109億円。前年の同じ時期より281件増えています。
※出典:岡崎市「特殊詐欺多発緊急アピール宣言」(2026年8月7日更新)、愛知県警察「特殊詐欺認知件数及び被害額(県内)【令和8年8月末】」(2026年9月10日作成)
▼岡崎市の公式ページ
https://www.city.okazaki.lg.jp/kurashi/bohan/1012549/1002757.html
「銘柄を教えるだけ」が危ない理由
株の銘柄を聞くのは、相手を見極めるためです。
どの株を、どれくらい持っているか。それが分かれば、その人の資産の大きさがおおよそ見えます。
警察庁は、犯罪グループが高齢者を中心とした名簿を手に入れ、特殊詐欺や強盗に使っていると説明しています。
資産の情報が入った名簿が、どれほど狙われるか。想像するだけで怖くなります。
詐欺でなくても、関わってはいけない相手
もう一つ、大事な点があります。
お金を受け取って銘柄を助言したり、株の売買を勧誘・仲介したりするのを仕事にするには、金融商品取引業の登録が必要です。
金融庁は、登録のない業者とは一切関わらないよう呼びかけています。登録の有無は、金融庁のサイトで調べられます。
知らないLINEのアカウントが、こちらの持ち株を聞いてくる。これは、相手が誰であっても関わらない方がいいサインです。
こんなLINEは要注意(5つのサイン)
金融庁・日本証券業協会の注意喚起と、私に寄せられるご相談から、よくある手口をまとめました。
- 知らない「投資」「株の情報」のアカウントから届く
- 「持っている銘柄は?」「資産はいくら?」と聞いてくる
- 有名人や証券会社の名前で「必ずもうかる」とすすめる
- LINEグループの中で「もうかった」という声が続く
- 個人名義の口座への振り込みを求めてくる
一つでも当てはまったら、返信しない・ブロックする・相談する。まずはこの3つを覚えておいてください。
なお、私の公式LINEから、株や資産のことをお聞きすることはありません。
ほかにも、こんな手口が増えています
今回はLINEで株や投資の話を持ちかけられるケースを取り上げました。ただ、詐欺の手口はそれだけではなく、どんどん巧妙になっています。
私のメールにも、本物と見分けがつかないものが日々届きます。会社のアドレスから「人事部です。給与明細をご確認ください」。よく知っている金融機関の名前で「お取引を一時停止しました」。
Webの仕事を長くしてきて、ITには強いつもりの私でも、一瞬だまされそうになったものがあります。
だからこそ、「自分なら大丈夫」と思い込むことが、一番危ないと思っています。
いま実際に多い手口を挙げておきます。
- 会社の人事・総務を名乗る「給与明細」「年末調整」のメール
- 銀行・カード会社を名乗る「利用停止」「本人確認」のメールやSMS
- 宅配業者を名乗る「不在のためお荷物を持ち帰りました」のSMS
- 知り合いのSNSアカウントから「認証コードを送って」「投票して」のDM(アカウントの乗っ取り)
- 警察官を名乗る電話やビデオ通話で「あなたに逮捕状が出ている」(ニセ警察詐欺)
- 有名人の写真を使った「必ずもうかる」投資の広告
- 「+」から始まる、海外からの見知らぬ番号の電話
送り主のアドレスや表示名は、本物そっくりに見せかけることができます。文章も画像も、いまは本物と同じように作れてしまいます。
なので、「見分けられる」と思わない方が安全です。私が決めているのは次の3つです。
- メールやSMSのリンクは開かない
- 確認は、公式のアプリか、自分で調べた番号から
- 「急いで」「今日中に」と言われたら、一度手を止める
A4一枚のチラシを作りました
ご家族で冷蔵庫に貼れるよう、文字を大きめにしています。
- 岡崎警察署管内で今起きている数字
- こんなLINEは要注意(5つのサイン)
- 家族で決める3つの約束
- 相談先(#9110・岡崎警察署・188)
▼SNS詐欺の注意喚起チラシ(PDF・無料ダウンロード)

ご家庭のプリンターや、コンビニのネットプリントで印刷できます。ご親族やご近所の方にも、そのままお渡しください。
ご家族に伝えるときのコツ
「危ないからやめて」と言うほど、かたくなになってしまうことがあります。身近な家族の言葉ほど、かえって届きにくいものです。
そういうときは、家族の言葉ではなく、外からの情報として渡すのも一つの方法です。
「岡崎の市議会議員が、こんなお知らせを出してたよ」。そのひと言で、チラシを一緒に見てみてください。
固定電話の対策もまだの方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
▼関連記事
実家の固定電話は大丈夫?岡崎市の特殊詐欺対策装置に上限6,000円の補助
https://www.sho-honda.jp/okazaki-sagi-taisaku-hojo-2026/
よくある質問
Q. もう銘柄を教えてしまいました。どうすればいいですか?
これ以上は返信せず、ブロックしてください。お金を振り込んだ、または求められている場合は、すぐに警察(#9110)か岡崎警察署へ相談を。
Q. 本物の証券会社かどうか、どう見分けますか?
金融庁のサイトで登録業者を調べられます。迷ったら、自分で調べた証券会社の公式の番号に電話して確かめてください。
Q. チラシは配ってもいいですか?
はい。ご家族・ご近所・地域の集まりなどで、自由にお使いください。内容は変えずにお願いします。掲示板やお店など、外に貼っていただく場合は事前にご相談ください。
最後に
DMでご連絡をくださるみなさん、いつも本当にありがとうございます。
「ネットリテラシー」という言葉では、なかなか届きません。だからこそ、紙一枚の「具体的なサイン」が役に立つと思っています。
岡崎でこれ以上、被害が増えないように。ご両親や、おじいちゃん・おばあちゃんに、ぜひこの1枚を届けてください。
相談先
- 警察相談専用電話 #9110(平日9時〜17時)
- 岡崎警察署 0564-58-0110
- 消費者ホットライン 188
- 金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル 0570-050588(平日10時〜17時)
出典
- 岡崎市「特殊詐欺多発緊急アピール宣言」(2026年8月7日更新)
- 愛知県警察「特殊詐欺認知件数及び被害額(県内)【令和8年8月末】」(2026年9月10日作成)
- 警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等(令和8年8月末・暫定値)について」(2026年10月2日公表)
- 警察庁「令和6年版 警察白書」
- 金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」
- 警察庁「ニセ警察詐欺」に関する注意喚起(SOS47 特殊詐欺対策ページ)
- 日本証券業協会「証券会社や日本証券業協会をかたる偽アカウント・偽広告等にご注意ください!」
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」相談事例とアドバイス(無登録業者について)