6月1日、令和8年6月定例会が開会しました。
今回は、議案21件・報告14件が提案されています。
ここで大事な前提を1つ。
提案された議案の多くは、これから会期中に審議し、最終日に採決されます。
つまり、初日にすべてが決まるわけではありません。
「6月の議会で、結局なにが決まるの?」 「うちの子に関係ある話、あった?」
こういう声を、最近よくいただきます。 今日は、暮らしに直結する議案から順番に整理します。
子育て世帯に直結|こども医療費が高校生世代まで広がる案
今回いちばん、子育て世帯に関わるのがこれです。
通院の医療費助成を、今の「中学生まで」から広げる案が提案されました。
対象は高校生世代(18歳になった後の年度末)まで。
可決されれば、令和9年4月1日から拡大の予定です。
高校生の通院も助成の対象に。子育て世代にとって、家計の安心がもう一段増える話です。
→ 要点:通院のこども医療費助成を、高校生世代まで広げる案が出ました。
実は、一度否決された経緯があります
この拡大、すんなり出てきた話ではありません。
令和6年9月議会で、同じ趣旨の条例案が一度否決されています。
財源のめどが立たないことが、主な理由でした。
そのうえで議会は、「財源を精査し、持続可能な制度として再提出を」と市に求めていました。
それが今回、改めて提案された——という経緯があります。
※令和6年9月は、自分が議員になる前の出来事です。今回の議案も、会期中に審議されます。
→ 要点:この拡大案は、過去に一度否決され、今回あらためて提案されたものです。
学校給食|食べられない子への給付と、質を守る対応
学校給食まわりでは、2つの対応が提案されています。
1つは、アレルギーや病気などで給食を食べられない子の保護者への給付。
「給食費の無償化に相当する額」を給付し、負担の公平を図ります。
もう1つは、食材費の高騰ぶんを市の予算でカバーすることです。
値上がりを理由に量や質を落とさず、これまでの給食を守ります。
管理栄養士として一言。成長期の食を、家庭の事情で削らせない設計だと思っています。
→ 要点:食べられない子へ給付、高騰分は市が負担。給食の質は維持する方向です。
ほかにも:タブレット更新・無痛分べん など
暮らしに関わる議案を、もう少しだけ。
- タブレット端末:小学校向けに15,454台(約1.5万台)を更新します
- 無痛分べん:市民病院で開始。1件123,000円、令和8年7月1日から
- 高用量インフルエンザワクチン:75歳以上の定期接種で、新たに助成の対象に
- ゾウ「ふじ子」:昨年亡くなったアジアゾウの全身骨格標本を製作します
※施行日や対象は議案ごとに決まっています。詳しくは岡崎市公式サイトをご確認ください。
→ 要点:教育・出産・健康・動物園まで、幅広い議案が並びました。
初日に決まった論点:阿知和(あちわ)地区の追加予算
ここまでの議案は、これから会期中に審議されます。
そんな中で、初日に採決された数少ない議案がありました。
阿知和地区工業団地の追加予算です。
工期に直結するため、この予算だけは初日に決める必要がありました。
企業を呼び込む大型事業で、今回、道路と造成で約14.7億円の追加でした。
増額の理由は2つ。
想定外の地下リスク(硬い岩盤、軟弱地盤・液状化の恐れ)と、進出企業との協議による設計変更です。
※事業そのものの詳しい内容は、市の公式ページ「阿知和地区工業団地造成事業」で確認できます。
賛否は分かれました。まず、反対した日本共産党岡崎市議団は、主に3点を指摘しました。
1つは、計画が甘く無計画だということ。
巨大事業なのに予算計画が不十分で、トラブルのたびに増額を繰り返している、という指摘です。
2つ目は、事前の見通しの甘さ。
周辺道路は令和2年ごろから用地の取得が始まり、完成年度も決めていました。それなのに、今になって大幅な増額や工期の厳しさを言うのは無計画だ、と批判しました。
3つ目は、市民生活を犠牲にした大企業優遇だということ。
財政が厳しいとして、市民向けの補助金が削られ、公共施設も廃止されている。その一方で、大企業には損をさせない使い方になっている。これは「市民生活第一」と言えない、と主張しました。
一方、賛成した会派(自民清風会・民生クラブ 等)も、3つの理由を挙げました。
1つは、雇用と税収を生む「未来への投資」だということ。
約4,400人の雇用を生み、令和11年度から約12億円規模の税収が見込まれます。人口減少が進む中で、持続可能な産業基盤になるという考えです。
2つ目は、渋滞対策として早期の整備が必要だということ。
すでに花園工業団地の周辺では渋滞が起きています。周辺道路の整備は、急ぐべき課題だとしました。
3つ目は、工期を守る必要があるということ。
工期が遅れれば、企業の進出も税収の回収も遅れます。委員会では、増額分は3年程度で回収できるとの答弁もありました。
ただし賛成会派も、手放しではありません。これ以上ふくらませない工程管理と、市民への丁寧な説明を強く求めました。
結果は、起立多数で原案どおり可決されました。
自分も、今回は賛成しました。理由は2つです。
1つは、止めるコストのほうが大きいこと。
すでに進出企業との契約やスケジュールが動いています。ここで止めれば、雇用も税収も、まとめて遅れます。
2つ目は、その遅れが、結局は市民の不利益として返ってくること。
工期が延びれば税収の回収も遅れ、周辺の渋滞対策も後ろにずれます。
そのうえで、反対意見ももっともだと思っています。
度重なる増額が「計画が甘い」と映るのは当然です。
だから進めることには賛成しつつ、別の軸で1つ求めます。
それは今後あらたな開発で、同じ増額を繰り返さない仕組みです。
「この事業を進めるか」と「次から同じ轍を踏まないか」は、分けて考えています。
→ 要点:止めるコストが大きいため賛成。ただし次への再発防止を求めます。
これからのスケジュール
提案された議案は、ここから本格的に審議されます。
- 6月2日〜4日:一般質問(本多は6月3日(水)に登壇します)
- 6月5日・11日・12日・17日:委員会で議案を審査
- 6月22日(月):本会議で採決し、閉会
こども医療費や給食などの議案も、この流れの中で決まっていきます。
本会議は、岡崎市議会のインターネット映像配信(議会中継)で見られます。ライブ中継のほか、会議からおおむね14日後以降は録画でも見られます。
※阿知和の造成工事そのものは、令和8年度末の完了が予定されています。
→ 要点:多くの議案は6月22日に採決。本多は6月3日に一般質問に立ちます。
最後に
今回の議会は、暮らしに直結する議案が多い回でした。
こども医療費の拡大、給食を守る対応。どれも家庭にすごく近い話です。
特にこども医療費は、過去に一度否決された経緯があります。
だからこそ、今度はどう審議され、どう決まるのか。自分もしっかり見ています。
自分も1歳の子を育てる親として、この方向はありがたいと感じています。
一方で、阿知和のような大型事業は、進めつつもお金の管理を厳しく見る。
このバランスを、議会の一員として見続けていきます。
暮らしに直結する動きは、これからもわかりやすく整理してお届けします。
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