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コラム
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👤 岡崎市民向け

「岡崎市は税金が高い」は本当か?西三河9市1町を条例で調べました

3秒で分かる結論

西三河9市1町を条例と決算で比較しました。岡崎市の負担が一貫して最も高いという事実は確認できませんでした。ただし国保の平等割は10団体で最も高い設計です。

こんな方におすすめ 👤 岡崎市民

この記事のポイント

  • 市税4本の税率は10団体すべて標準税率で横並び
  • 都市計画税0.3%は上限と同率だが同じ率の団体が6つある
  • 国民健康保険はモデル試算で10団体中7番目
  • 国保の平等割は岡崎市が10団体で最も高い
  • 1人あたり市税額は負担の重さを測る指標にならない

最近、「岡崎市は税金が高い」という投稿をよく見かけます。

正直に言うと、私はこれに言及できていませんでした。岡崎の数字は頭に入っていても、隣の刈谷や幸田がいくらなのかを知らなかったからです。

知らないまま「そんなことないですよ」と言うのだけは、やってはいけないと思っています。

なので、まず10団体の市税条例を一つずつ確認するところから始めました。

「岡崎って、隣の市より負担が重いのかな」 そう思ったことのある方に読んでほしい記事です。

先に結論から書きます

調べた範囲では、岡崎市の負担が西三河で一貫して最も高い、という事実は確認できませんでした

ただ、これで「岡崎は安いです」と言うつもりもありません。

一律に高いわけではない。ただし、世帯や資産の条件によっては重くなる

これが今回の着地点です。

なぜ調べようと思ったか

「高い」と言われても、比べる相手を知らなければ判断できません。

私も同じでした。感覚で言い返すことはできても、それは根拠になりません。

元々Webの仕事で数字を扱ってきたので、条件を揃えないまま高い安いを語るのは、どうにも気持ちが悪いんです。

だから他人の要約ではなく、条例の本文と公表資料を直接読むことにしました。

どうやって調べたか

比較したのは西三河9市1町。岡崎、碧南、刈谷、豊田、安城、西尾、知立、高浜、みよし、そして額田郡幸田町です。

項目は4つ。市税4本の税率、国民健康保険、介護保険料、市民1人あたりの市税額。

市税は、各団体の条例そのものを開きました。都市計画税だけ別条例になっている市もあって、探すだけで時間を持っていかれます。

国保は各団体公式サイトの令和8年度ページ(豊田市だけ条例本文)。介護保険料と決算・人口は、愛知県と総務省の公表資料を使いました。

基準時点は、市税と国保が令和8年度、介護保険料が第9期(令和6年度から令和8年度)、1人あたり市税額が令和6年度決算です。

① 市税の税率は、ほぼ横並びでした

まず市税4本。個人市民税、法人市民税、固定資産税、都市計画税です。

個人市民税・法人市民税・固定資産税には地方税法の標準税率が定められているので、ここは横並びだろうと予想していました。

実際そのとおりでしたが、1団体だけ例外がありました。

団体個人市民税
所得割
法人市民税
法人税割
固定資産税都市計画税
岡崎市6.0%6.0%1.4%0.3%
碧南市6.0%6.0%1.4%0.25%
刈谷市6.0%6.0%1.4%0.3%
豊田市6.0%6.0%1.4%0.25%
安城市6.0%6.0%1.4%0.3%
西尾市6.0%6.0%1.4%0.28%
知立市6.0%6.0% ※1.4%0.3%
高浜市6.0%6.0%1.4%0.3%
みよし市6.0%6.0%1.4%0.3%
幸田町6.0%6.0%1.4%0.2%

個人市民税の均等割は、10団体とも年額3,000円です。法人市民税の均等割は、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人で年額50,000円でした。

個人市民税、法人市民税の基本税率、固定資産税は、10団体でほぼ横並びです。

一方、都市計画税には違いがあります。岡崎市は法律上の上限である0.3%ですが、同じ0.3%を採用しているのは10団体中6団体。岡崎市だけが特別に高いわけではありませんが、豊田市の0.25%や幸田町の0.2%と比べれば高い側です。

なお、都市計画税には標準税率(基準となる率)の定めがありません。地方税法が定めているのは制限税率、つまり上限0.3%だけです。

※知立市は、資本金等1億円超かつ法人税額1,000万円超の法人に、法人市民税の超過税率8.4%を適用しています。それ以外の法人は6.0%です。個人市民税の均等割3,000円には、県民税や国税である森林環境税は含みません

② 国民健康保険は、10団体中7番目

ここが一番手間のかかったところです。国保は算定の仕組みが複雑で、条件を決めないと比較になりません。

試算の条件

・被保険者3人の世帯。3人とも18歳以上 ・うち2人が40歳から64歳 ・世帯の算定基礎額(基礎控除後の総所得金額等)は250万円 ・算定基礎額の全額を40歳から64歳の2人の所得として計算 ・低所得世帯の軽減措置は適用しない

順位団体合計(年額)岡崎市との差
1碧南市550,400円+50,770円
2刈谷市542,150円+42,520円
3安城市519,100円+19,470円
4知立市514,050円+14,420円
5西尾市510,300円+10,670円
6みよし市501,000円+1,370円
7岡崎市499,630円
8高浜市496,350円-3,280円
9豊田市476,131円-23,499円
10幸田町466,619円-33,011円

そもそも、この「7番目」は何の順位?

言葉を整理します。

この順位は、同じ条件の世帯が1年間に払う保険料の高い順です。1番が最も高く、10番が最も安い。

岡崎は7番目。つまり高いほうから7番目、安いほうから4番目という位置です。

金額でいうと年499,630円。10団体の単純平均507,573円7,943円下回ります。

内訳は、医療分・後期高齢者支援金分・介護納付金分・子ども子育て支援分の4つを合計した額です。

最高の碧南市と最低の幸田町の差は83,781円。同じ西三河でも、これだけ開きます。

ただし、これは実在する誰かの保険料ではありません。10団体を同じ土俵に乗せるため、条件を固定して計算した「モデル世帯」の金額です。

国保は団体ごとに率も額もバラバラで、世帯の人数・所得・年齢で結果が変わります。条件を1つに揃えないと、そもそも比較になりません。

なので7番目は「この条件ならこうなる」という1点の目安です。ご自身の保険料の順位ではない、という前提で読んでください。

ここは岡崎が最も高い

都合のいい数字だけ並べても意味がないので、はっきり書きます。

岡崎の国保は、平等割が10団体で最も高い設計です。平等割とは、1世帯あたり一律にかかる額のこと。

・医療分の平等割:30,340円  2位の高浜市23,000円より7,340円高い

・後期高齢者支援金分の平等割:10,600円  2位の刈谷市・西尾市・知立市7,800円より2,800円高い

ここを見つけたときは、正直きつい数字だと思いました。

平等割は世帯単位でかかります。世帯の算定基礎額など他の条件が同じなら、加入者が多い世帯では平等割の1人あたり負担が薄まり、加入者が少ない世帯では重くなります。これが岡崎市の国保料の特徴です。

先ほどの試算で岡崎が7位だったのは、3人世帯で計算しているからという面もあります。単身世帯では平等割の影響が相対的に大きくなるため、このモデルより順位が上がる可能性があります。

一方、1人あたりにかかる均等割は、医療分29,830円で10団体中8番目。介護納付金分の均等割10,530円は、10団体で最も低い額でした。

※令和8年度は、10団体とも所得割・均等割・平等割の3方式で、資産割は採用していません。岡崎市のみ保険料方式で、他の9団体は保険税方式です

子ども分は10団体で最も低い

令和8年度から、10団体すべてで「子ども・子育て支援納付金分」が新設されました。

18歳未満の加入者については均等割が全額軽減され、18歳以上の加入者が均等割の対象になります。

岡崎は所得割0.23%、18歳以上1人あたり均等割1,040円。どちらも10団体で最も低い水準でした。

③ 介護保険料は、10団体中5番目

65歳以上の方が納める第1号被保険者の基準額です。第9期(令和6年度から令和8年度)の数字を見ます。

順位団体基準額(月額)
1高浜市5,990円
2刈谷市5,900円
3幸田町5,800円
4知立市5,760円
5岡崎市5,700円
6碧南市5,600円
7豊田市5,300円
7西尾市5,300円
9安城市5,200円
10みよし市4,900円

10団体の単純平均は月額5,545円。岡崎はこれを月155円上回ります。

最高の高浜市より290円低く、最低のみよし市より800円高い。全体の幅は1,090円です。

位置としては中位。

④ 「1人あたり市税額」には落とし穴があります

最後に、SNSでよく引用される数字に触れておきます。

順位団体1人あたり市税額
1豊田市354,724円
2みよし市303,404円
3碧南市272,950円
4刈谷市260,493円
5安城市222,326円
6幸田町218,916円
7高浜市215,856円
8西尾市188,110円
9岡崎市186,242円
10知立市177,102円

そもそも「1人あたり市税額」とは何か

計算式は単純です。

その市が1年間に集めた市税の総額 ÷ 住んでいる人の数

分子は令和6年度決算の地方税。市民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、市町村たばこ税などの合計です。

分母は、令和7年1月1日現在の愛知県推計人口。

岡崎でいえば、市税709億円を人口38.1万人で割って、1人あたり186,242円という計算になります。

順位が上だと、何がいいのか

ここが誤解の分かれ目です。

順位が上(1人あたりの額が大きい)というのは、市民1人あたりで見たときに市の財布へ入るお金が多い、という意味です。

その金額を、市民一人一人が実際に納めているという意味ではありません。

税率は10団体でほぼ同じです。差が生まれるのは、税率ではなく、住民の所得、企業の収益、土地・家屋・償却資産といった、その地域が持つ税源の規模と構成によるものです。

※税収総額を人口で割った指標なので、人口だけでなく、法人市民税や固定資産税などの税源構成にも大きく左右されます

この数字を負担の証拠には使えません

岡崎は9番目。ここだけ切り取れば、いくらでも都合よく使えてしまいます。

でもこの数字は、負担の重さを測る指標にはなりません

理由は単純で、税率が10団体でほぼ同じだからです。

豊田市354,724円と知立市177,102円の2倍の開き。これは税率の差ではありません。

豊田市自身も「法人市民税が前年度より増加したため、市税決算額は約300億円増の1,467億6,637万円となりました」と説明しています。1年で約300億円動く数字です。

岡崎市の市税決算額は約709億円で、10団体中2番目。人口も約38.1万人で2番目です。

それでも市税収入を人口で割ると1人あたり約18.6万円となり、9位になります。つまり市税総額の規模は大きいものの、人口1人あたりで見た税源の厚みは、企業集積の強い自治体などより小さいということです。

この指標が表しているのは、市民個人の負担額ではなく、人口規模に対して地域にどれだけ市税の税源があるかです。

※企業業績への依存度を判断するには、法人市民税などの税目別内訳を別途見る必要があります

私の受け止め

数字を比較すると、岡崎市がすべての項目で突出して高いわけではありませんでした。

ただ、「実感として重い」と感じている方の感覚が間違っているとは思いません。

単身世帯や2人世帯の方は、国保の平等割が10団体で最も高い設計をまともに受けます。

市街化区域に土地や家屋をお持ちの方は、都市計画税0.3%の影響を毎年受け続けます。

一律に高いわけではなくても、条件によっては岡崎のほうが重い。これが正直な結論です。

平等割と均等割のバランスをどう設計するかは、市が判断できる部分。ここは今後も議会で数字を追います。

今の段階で「下げます」と言えるだけの材料は持っていないので、安請け合いはしません。

この記事で調べていないこと

信頼していただくために、調べきれていないことも書いておきます。

令和7年度決算は使っていません。 国と県の市町村別横断集計が未公表のためです(県版の公表は例年10月ごろ)

国保と介護保険料は、豊田市の国保を除いて条例本文までは確認できていません。 各団体公式サイトの令和8年度ページが根拠です

・ただし介護保険料は、愛知県公表の第9期基準額一覧と10団体すべて一致することを確認しました

知立市の国保ページは、本文が令和8年度となっている一方で更新日表示が古いまま。 所管課への確認が必要です

10団体すべてについて、統一条件による税目別内訳の比較までは行っていません。 なお豊田市については、市公式資料により法人市民税の増加を確認しています

・比較したのは市税・国民健康保険・介護保険料の3分野だけ。上下水道料金、保育料、その他の使用料・手数料は見ていません

なので「岡崎の負担は全体として軽い」とは言えません。言えるのは、この3分野の範囲でどうだったか、それだけです。

よくある質問

Q:では、岡崎市で「高い」のはどこですか?

A:国民健康保険の平等割です。医療分30,340円、後期高齢者支援金分10,600円。どちらも10団体で最も高い額でした。都市計画税0.3%も、地方税法の上限と同じ率です。

Q:私の世帯でも7番目になりますか?

A:なるとは限りません。あの試算は1つの条件での計算です。特に単身世帯は平等割の影響が相対的に大きくなるため、このモデルより順位が上がる可能性があります。

Q:水道料金や保育料は比べていないのですか?

A:比べていません。今回は市税・国民健康保険・介護保険料の3分野だけです。

最後に

この記事を書いた理由は、誰かに反論するためではありません。

私自身が「本当に高いのか」を知らなかったからです。

数字を並べてみて分かったのは、「高い・安い」の一言では言えないということでした。項目によって位置が違い、世帯の条件でも変わる。

出典はすべて下に載せています。ご自身で確かめられる形にしました。

そのうえで、誤りがあればご指摘ください。訂正して更新します。

出典

市税(条例本文で確認)

国民健康保険(各団体公式サイトの令和8年度ページ)

介護保険料

市税決算額・人口

📌 まとめ

西三河9市1町を条例と決算で比較しました。岡崎市の負担が一貫して最も高いという事実は確認できませんでした。ただし国保の平等割は10団体で最も高い設計です。

よくある質問
Q:では、岡崎市で「高い」のはどこですか? A:国民健康保険の平等割です。1世帯あたり一律にかかる額で、医療分30,340円・後期高齢者支援金分10,600円。どちらも10団体で最も高い額でした。平等割は加入者が少ない世帯ほど重く効きます。都市計画税0.3%も、地方税法の上限と同じ率です。

Q:私の世帯でも7番目になりますか? A:なるとは限りません。国保の試算は3人世帯・算定基礎額250万円という1つの条件での計算です。特に単身世帯は平等割の重みが増すため、岡崎市の順位は上がる(負担が重くなる)方向に動きます。

Q:令和7年度の数字ではないのですか? A:1人あたり市税額は令和6年度決算に基づいています。令和7年度は国と県による市町村別の横断集計がまだ公表されていないためです。市税と国保は令和8年度、介護保険料は第9期の数字を使っています。

Q:水道料金や保育料は比べていないのですか? A:比べていません。今回調べたのは市税・国民健康保険・介護保険料の3分野だけです。上下水道料金、保育料、その他の使用料・手数料は範囲外なので、岡崎の負担が全体として軽いとは言えません。

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